ほうこうじブログ

曹洞宗報效寺住職のページです

検討委員会の発足まで(2)

2.座布団からイスへ
 葬儀や法事後の会食は長い間タタミ座敷で座布団を敷き、膳を並べていただくのが一般的でした。随分以前には膳は脚がない、またはごく低めの脚が付いたお盆のようなものでした(当寺にも朱塗りの膳が残されています)が、私が寺にもどった1982(昭和57)年ごろはすでに脚の長い台状のものでした(下の写真)。

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タタミ座敷での会食膳(Wikipediaより)

 家庭での食事がちゃぶ台からテーブルに変わるのは前回東京オリンピックがあった1964(昭和39)年以降だといわれていますが、全国的に定着したのは1970(昭和45)年代です。しかし、日常の食事はテーブルにイス席でも、冠婚葬祭、特に仏事における会食は長らく座布団に正座というスタイルが続いてきました。葬祭専用ホールが首都圏や大都市だけでなく、地方都市に広まったのはここ20年くらいではないでしょうか。「これからはイス席で」、その頃から当寺の会食の席でもたびたび話題になることがありました。